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走るきっかけを与えてくれたのは、生徒さんたちです。

体育が長距離走となる冬の時期、体育の時間にカウンセラー室へ来ようとする生徒さんたちがたくさんいました。
長距離走を走りたくなかったようです。

カウンセラー室を利用するためには先生の許可が必要です。
「体育をさぼるためにカウンセラー室はだめだぞ」
体育をさぼろうとする生徒さんたちの来室に先生の許可はおりませんでした。

ランチの時間などを使い、そういった生徒さんたちのお話を聴いていると、何かを成し遂げたという達成感や、自分自身への自信があまりないように感じられました。

お話を聴いたり、リラックスしてもらうだけではなく、その子たちが自分に自信を持てるように何かできることはないだろうか。

日々そう思いながら生徒さんたちと関わっています。

そういった関わりの中で思いついたことの1つに、スクールカウンセラー自身が「走る」ということがありました。

先生たちと相談をし、生徒さんたちと一緒に走ることにしました。
生徒さんたちとともに校庭を何周も走りました。
生徒さんたちのように速くは走れなかったけれど、カウンセラー室へ来る生徒さんたちに自信や勇気を与えられたらという思いで必死に走りました。

「スクールカウンセラーが走った」
生徒さんたちは目をまんまるにして驚くとともに、
「がんばれ!」と言い一緒に走ってくれました。

久しぶりに走り終え、生徒さんたちの笑顔が浮かびます。

「元気にしていますか。どうぞ自分に自信を持ち、幸せな毎日を過ごしてください」

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