10Oct
心理療法家を目指して勉強していた学生だった時代、ある心理療法家の方より「雨降らし男」の話を聴きました。
そのお話を聴いた時の衝撃はあまりにも強く、雷に打たれた感覚でした。
「私は雨降らし男になる」
「私は雨降らし男である」
当時の私のアファメーションでした。
雨降らし男のお話というのは、故河合隼雄氏が「心理療法序説」(岩波書店、1992)で紹介しているお話です。
「これはユングが中国研究者のリヒャルト・ヴィルヘルムより聞いた話として伝えているものである。ヴィルヘルムが中国のある地方にいたとき旱魃が起こった。数ヶ月雨が降らず、祈りなどいろいろしたが無駄だった。最後に「雨降らし男」が呼ばれた。彼はそこいらに小屋をつくってくれと言い、そこに籠った。四日目に雪の嵐が生じた。村中大喜びだったが、ヴィルヘルムはその男に会って、どうしてこうなったのかを訊いた。彼は「自分の責任ではない」と言った。しかし、三日目の間何をしていたのかと問うと、「ここでは、天から与えられた秩序によって人々が生きていない。従って、すべての国が「道(タオ)」の状態にはない。自分はここにやってきたので、自分も自然の秩序に反する状態になった。そこで三日間籠って、自分が「道」の状態になるのを待った。すると自然に雨が降ってきた」というのが彼の説明であった。
河合隼雄氏は続けてこう記します。
「「物我の一体性すなわち万物と自己とが根源的には一つであること」を認める態度につながるものである。
こんなことは言うと、まったく非科学的と言われるかもしれない。そのような点については、第三章に論じるが、筆者の実感で言えば、この「雨降らし男」の態度は、心理療法家のひとつの理想像という感じがある」
元祖コーチであるLou Tice氏の著書”SMART TALK”に以下の引用があります。
“Build a better world,” said God.
And I answered,
“How? The World is such a vast place,
And so complicated now,
And I’m small and useless;
There’s nothing I can do.”
But God in all His wisdom said,
“Just build a better you.”
ーAnonymous
(「よりよい世界をつくりなさい」と神はおっしゃられた。
私はこう答えた。
「どのようにですか?この世界はかくも広大で、
複雑きわまりない場所となりました。
私はちっぽけで役に立たない人間です。
私などにできることは何もありません」
しかし、全知の神はこうおっしゃられた。
「より良い自分をつくりなさい」
ー作者不詳
“SMART TALK” 日本語訳、「アファメーション」(フォレスト出版、2011))
心理療法家とコーチ。
行っている行為はもしかしたら異なるかもしれません。
よって立つ理論は異なるかもしれません。
しかし、目指すゴールは変わらないのではないでしょうか。
目指すゴール、すなわち、よりよい世界を実現すること、クライアントさんお一人お一人の幸せな人生を実現すること。
心理療法家とコーチ。
きっと未来では心理療法家とコーチがともに融合し、混ざり合い、よりよい世界を実現し、人々を幸せにしていることでしょう。
心理療法家とコーチのコラボレーション。
そんな新しい時空を創ってゆきたいと思っています。
【A Better You and A Better World】
トライアルコーチングを行っています。
http://www.libertycoaching.jp/trial-coaching.html
パーソナルコーチングを行っています。
http://www.libertycoaching.jp/menu.html#uesugi
幸せな人生を歩んで下さい。