26Jan
映画は観始めると、本当に止まりません。
今日は、是枝裕和監督の「誰も知らない」(2004)を観たことから想起されることについて記してみます。
ずっと気になりながらなかなか観ることのできなかった作品でした。
観ているあいだも、観終わったあとも、なんとも様々なシーンの映像が残ります。
主人公の明くん、そして妹の京子ちゃん、弟のしげるくん、妹のゆきちゃん。
こんなことって本当にあるのだろうか・・・
そう思わずにはいられない映画ですが、ウィキペディアで調べると本映画は、
「1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、是枝裕和監督が15年の構想の末に映像化した作品である。母の失踪後、過酷な状況の中で幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じ、家族や周辺の社会のあり方を問いかけた」
とあります。
実際私も、お家の事情で学校へ通えない生徒さんのお家へ、
民生委員の方とともに家庭訪問をしたことがあります。
雨が降りしきる中、家の外にはたくさんの子どもたちのお洋服が干されたままで、
ずぶ濡れでした。
カーテンが閉められた窓の隙間から中を覗き込むと、
そこに見えた光景は・・・
今でもその時の光景は、忘れられません。
すべての子どもたちの健やかな成長や幸せな毎日のために、
私たち大人にはどのようなことができるのだろう。
「生きているのは、おとなだけですか。」
ポスターに記された言葉を通し、
子どもたちの声なき声を聴く思いです。